11月16日から19日までLos Angelesで開催されたSVIN annual meetingに参加してきました。
JSVINの皆さんに是非興味をもってほしい学会なので、現地の雰囲気をレポートさせていただきます。
SVIN(Society of Vascular and
Interventional Neurology)は北米のInterventional Neurologistたちが中心となり組織された国際学会で、今年で年次集会は15回目となります。今回は私の友人であるSunil Sheth(下写真)が若くして会長を務めました。
SVINは血栓回収療法をはじめとするAIS治療の発展とともに急速にその勢力を増しており、私たちJSVINの国際パートナーであると同時に、JSVINが目標とすべき学会でもあります。
この学会の良いところは、ISCやESOCほど大規模ではなく、アットホームな雰囲気の中で世界のトップリーダーたちと交流でき、またこれから脳血管内治療や脳卒中を学ぼうとしている若い先生たちとも知り合えることです。
例えば朝食会場では自然とテーブルに人が集まり、それぞれ自己紹介しあい、自分の国や施設の実情を語り合います。皆とてもフレンドリーで、仲間意識が強いと感じます。写真の女性二人も自ら脳血管内治療をする神経内科医で、フェローとして活躍しているそうです。
私は4年前の2018年にも現地参加しましたが、当時より明らかに学会規模が大きくなっており、できればこれ以上大きくならないで欲しいな、とも思いました。
ちなみに右のスライドが参加者の国別分布です。日本は意外と多いですね!実はオンラインで参加していた人が結構いたのかも?
4日間のプログラムはわりと余裕を持ったスケジュールで構成されており、虚血性脳血管障害を中心に教育的なセッションが多く組まれています。野外でのゲーム、ヨガ、瞑想などのプログラムもありましたが、さすがにこれは参加しませんでした。
私は友人のSunilが会長だったこともあり、Debate sessionの座長を務めさせてもらいました。
Alteplase vs TNK のdebateでしたが、Alteplase側はJames C Grotta、TNK側はBijoy K Menonという超大物どうしの対決で、会場は非常に盛り上がりました。GrottaはtPAの生き字引のような先生(→参考文献)で、MenonはAcT trial をはじめ、カルガリーでAISの論文を書きまくっている先生です。
幸い?二人のプレゼンが白熱しすぎて座長はほとんど喋らなくてよかったので、私の英語力がバレずに済みましたが、とてもよい経験になりました。
大統領選挙戦のように壇上の二人がdebateを繰り広げるのはとてもアメリカらしく、JSVINでやってみても面白いなあと思いました。
現在国内ではTNKの臨床試験が始まっています。tPAの時のように海外に出遅れないよう、しっかり試験を完遂しないといけないですね!
国際学会に参加して楽しいのは、普段国内の学会ではなかなか知り合えない先生方とも交流を深められることです。今回WFITNのpresidentとして亀田総合病院の田中美千裕先生も会場にいらしており、夕食もご一緒させていただきました。日本人がWFITNのpresidentであることは非常に誇らしいことですが、田中先生自身ももっと多くの日本人が若いうちから国際学会に参加するべきだとおっしゃっていました。田中先生ありがとうございました!また美味しいワインをご一緒したいです!
また、JSVINのメンバーで、現在UCLAのStroke Neurologyに短期留学している日本医大の鈴木健太郎先生、UCLAのInterventional Neuroradiologyでご活躍中の金子直樹先生、そして金子先生のラボに留学中の神戸大学脳外科の今堀太一郎先生と、Beverly HillsやSanta Monicaで楽しい時間を過ごしました。皆さんそれぞれ海外で懸命に努力されており、私も大変刺激を受けました。
今回の自分のミッションとして、山上先生が会長を務めることが決まったJSNET 2025のアピールをし、Guest Speakerの約束を取りつけてくる、ということもあったのですが、Raul NogueiraやTudor Jovinたちは現地での人気もすごく、なかなかゆっくりお話はできませんでした。山上先生ごめんなさい!
来年はフロリダ州マイアミで開催されます。できれば、より多くのJSVINメンバーで参加したいと考えています。そしてJSVINとSVINが継続的に交流していけるよう、私も尽力していきたいと思います。
(神戸市立医療センター中央市民病院 脳神経内科 尾原信行)
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